Japanese
English
手術手技シリーズ 関節の手術<下肢>
先天性内反足に対する軟部組織解離術
Soft Tissue Release for Congenital Clubfoot
加藤 哲也
1
Tetsuya Katoh
1
1国立東京第二病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Tokyco-Daini Hospital
キーワード:
内反足
,
club foot
,
軟部組織解離術
,
soft tissue release
,
観血的治療
,
operative treatment
,
全距骨下解離術
,
complete subtalar release
,
手術適応
,
indication for operation
Keyword:
内反足
,
club foot
,
軟部組織解離術
,
soft tissue release
,
観血的治療
,
operative treatment
,
全距骨下解離術
,
complete subtalar release
,
手術適応
,
indication for operation
pp.1273-1285
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900465
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はじめに
先天性内反足が整形外科領域における難治性疾患であることは周知のことである.近年の研究から胎内成長の過程において障害の及ぶ時期,期間によって変形,拘縮の程度が異なってくることがわかった15).したがって,1疾患名に対して画一的治療を行ってはならない.先天性内反足は観血的治療を要することが多いことは事実であるが,手術を前提として治療するのではなく,治療の過程において重症度を判定して重症度に応じた治療を行う.この場合も手術によって解剖学的異常を矯正することは,手順が正しければさほど困難なことではないが,手術に伴ういろいろなリスクや術後のある程度の不可避の拘縮などのdemeritと保存的治療を貫くことによるdemeritをよく勘案して治療方針を決定することが大切である.また手術を行う以上は再手術は間違いなく予後を悪化させるので,これを極力避けるように完全な解離がなされる手術方法を選択し,十分な後療法と長期にわたる経過観察を行うことが肝要である.今回は軟部組織解離術に限って,その適応,手術方法とその周辺,そして後療法について述べる.
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