論述
JK膜を使用した膝関節形成術の遠隔成績
城戸 正詩
1
,
小林 晶
1
,
上崎 典雄
1
,
安藤 善生
1
,
光安 知夫
2
Masashi KIDO
1
1九州大学医学部整形外科学教室
2福岡中央病院整形外科
pp.994-1002
発行日 1976年11月25日
Published Date 1976/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905426
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はじめに
膝関節の高度の運動障害に対して機能再建を試みる膝関節形成術は過去1世紀以上にわたり多くの試みがなされ発展してきた.1863年Verneuilが関節包を中間挿入物とした関節形成術を試みたのに始まり,Ollier,Murphy.Payr,住田,Putti18),Baer,Campbell6,7,8,9),McAusland,神中10),河野ら12,13,15)によつて自家筋肉,筋膜,皮膚および異種動物膜を中間挿入物として使用する手術が行なわれ,その成績の優劣も論じられてきた.一方,20年位前より医用工学の進歩に伴ない開発され脚光をあびてきたのが人工膝関節である.1951年Walldiusによりはじめて臨床例に応用されて以来,各種の人工膝関節が開発され,現在全置換術は全盛期を向かえつつある.九州大学整形外科でも住田時代より現在まで数多くの膝関節形成術が行なわれてきた.住田はPayrのもとでの研究をもととして,自家筋膜を用いる関節形成術を確立し,神中は最初自家筋膜,Baer膜(クロム硬化豚膀胱膜)などを中間挿入物として用い,それをもとに河野とともに1944年JK膜10)(クロム硬化自家筋膜)を作成し,1945年より多くの臨床例に応用した.さらに,天児3,4)・西尾も一貫してJK膜を使用する関節形成術を行なつてきた.
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