論述
RA膝に対するJK膜による関節形成術—その適応と問題点について
喜多 正鎮
1
,
近藤 正一
1
,
野副 勝
1
Masashizu KITA
1
1九州大学医学部整形外科学教室
pp.647-654
発行日 1977年7月25日
Published Date 1977/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905551
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はじめに
最近10年間における人工関節の進歩はめざましく,各種の学会,研究会でその成果が発表されている.しかしその反面,幾多の合併症や失敗例を生じていることもまた事実である.感染や手術手技上の問題点は克服されつつあるものの耐久性や構造上の問題の解決にはさらに年月を要するであろう.
膝関節の屈曲拘縮ないし強直はADL障害の中心である歩行能力の障害を来たす最も大きな原因の1つであり,寝たきり患者の原因でもある.このような患者に対し無痛性と可動性の獲得という利点から人工関節はしばしば利用されるが,適応は厳密に制限されなければならない.我々は人工関節の適応外と考えられた比較的若年者の慢性関節リウマチ(以下RAと略す)の膝屈曲拘縮に対し,JK膜による関節形成術を施行してきたのでその経験を報告し,その問題点につき検討を加えたい.
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