臨床経験
Shiers型人工関節置換術後切断した脊髄癆性膝関節症の1例
光安 知夫
1
,
小林 晶
1
,
上崎 典雄
1
Tomoo MITSUYASU
1
1九州大学医学部整形外科学教室
pp.355-360
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905337
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神経病性関節症については,1868年,Charcotが脊髄癆に伴つて発生した関節の変化を記載して以来,多くの先人の報告がみられる.本症を診断することは,必ずしも困難なことではない.それにもかかわらず,われわれにとつてこれを治療するということはきわめて困難な問題を含んでいる.中でも脊髄癆性膝関節症の治療については,きわめて困難であり,主として関節固定術が試みられている.しかし,これも多くの症例において完全な癒合が得がたい.われわれは,膝関節固定術を施行し癒合が得られなかつた症例に対して,効果の持続性に不安があつたが,関節の安定性と可動性を確保できればと考え,人工関節置換術を施行し,これも成功せず,遂に切断の止むなきに至つた1例を経験した.ここに症例報告とともに,若干の考察を述べたい.
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