臨床経験
習慣性膝蓋骨脱臼の治療
上崎 典雄
1
,
小林 晶
1
,
豊永 敏宏
1
,
光安 知夫
1
,
安藤 善生
1
Norio UEZAKI
1
1九州大学医学部整形外科学教室
pp.587-590
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905540
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習慣性膝蓋骨脱臼は主として10歳前後に発生し,ほぼ全例において何らかの外傷が原因となつている.また習慣性となる内因として大腿骨外顆のhypoplasia,膝蓋骨の異常可動性,あるいは外反膝等があげられている.膝の伸展機能の上で重要な役割を果す膝蓋骨はできるだけ早い時期に整復され,不安定感や脱力,転びやすさから解放すると同時に関節面の適合性を獲得することが重要である.膝蓋骨脱臼の治療法は実に多岐にわたり百数十種を数えるといわれる.小児に対する手術法においてもCampbell法,Krogius法等が一般化しているが必ずしも十分とはいい難い.われわれは昭和48年以来Heusner法変法ともいうべき半腱様筋腱移行術を6例9関節に施行してきたが,Macnab評価法に基づく成績で秀5関節,優2関節,可1関節,不可1関節の結果を得た.われわれの手術方法を紹介すると同時に可および不可となつた症例の原因に言及し,さらに成績を向上させたい.
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