臨床経験
股関節疾患に伴う膝変形の研究
新野 徳
1
,
金川 雅洋
1
Noboru SHINNO
1
,
Masahiro KANAGAWA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.1038-1046
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904780
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先天性股関節脱臼,ペルテス病等の股関節疾患には,臼蓋および大腿骨骨頭の変形,前捻角,頸体角の変化等の骨格変形と共に,腰仙帯筋ならびに大腿筋群の萎縮がみられる.これらの変化をもつ股関節疾患の症例には,しばしば膝反張,膝外反等の膝関節の変形がみられる.このような股関節疾患に随伴する膝変形についての報告は極めて少く,僅かに上野が解剖学的,力学的に考察を行つているにすぎない.特に,筋動力学的立場より考察が行われた報告はみられなかつた.
今回,我々は股関節疾患に伴う膝変形の発生機序を解明するため,腰仙帯ならびに大腿,下腿筋について筋電図学的検索を行つたので報告する.
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