筋組織病理図譜・4
進行性筋dystrophy症—Duchenne型 その2
桜井 実
1
,
大竹 喜玄
2
1東北大整形外科
2国立仙台病院整形外科
pp.314
発行日 1972年4月25日
Published Date 1972/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904675
- 有料閲覧
- 文献概要
この疾患の組織学的特徴は筋線郡の大小不揃いがまず第一にあげられるが,強拡大にして線維内をよく見るとパラフィン切片でも内部構造の破壊を観察することがある.これを酵素組織化学的に染色するとその様相が明瞭となる.症例は10歳男子で,図は左から筋原線維を黒く染め出すATPase(第1図),中央が筋漿(原形質)に活性が局在するphosphorylase(青紫色)(第2図),右が筋漿内に点在するmitochondriaのコハク酸脱水素酵素の活性を染色したもので(青)(第3図)いずれも上段に正常筋を対比してある.
この症例ではほとんどの線維に破壊像がみられたが,症例によつては大小不同のみが見られるもの,あるいは部分的に破壊のみられるものなど多様にわたる.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.