シンポジウム 腰痛
腰痛;とくに椎間板性疼痛について
鈴木 次郎
1
,
立岩 正孝
1
Jirô SUZUKI
1
1千葉大学医学部整形外科
pp.587-593
発行日 1967年6月25日
Published Date 1967/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904246
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はしがき
腰痛,坐骨神経痛を主訴として,当科に40年6月から41年7月までの一年間に来院した患者の数は外来患者総数6691名のうち1657名,実に24.7%です.実際に腰痛Lumbagoといつても腰痛を訴える姿は多種多様であり,腰痛症という言葉で診断することはゆるされない内容をもつています.腰痛というのは,共通した症状であり,われわれはあくまでもそのよつてきたる根源をたづね考える態度を持たねばなりません.これは坐骨神経痛Ischiasという言葉においてもあてはまることであり,かかる診断名は無いはずです.そこで腰痛を起す原因について要約して考えてみますと①構築性の起因によるもの,要するに半椎体,脊椎披裂などの脊柱の奇型とか脚長差による骨盤の傾斜の存在などによるものです.②筋,筋膜性の起因によるもの,筋肉,筋膜の断裂,出血などによる変化によつて起るもの,また時に膠原病性のこともあります.③椎間板障害,椎間内障によるもの,これは本日の主題とするところです.④外傷性の起因,骨折,脱臼などによつて生じるもの,⑤炎症性起因,例えば脊椎カリエス,脊椎炎などです.
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