最新基礎科学/知っておきたい
椎間板性腰痛のメカニズム—椎間板に発現する疼痛関連物質とマクロファージの働きに着目して
宮城 正行
1
,
内田 健太郎
1
,
井上 玄
1
,
高相 晶士
1
Masayuki MIYAGI
1
,
Kentaro UCHIDA
1
,
Gen INOUE
1
,
Masashi TAKASO
1
1北里大学医学部整形外科学
pp.106-109
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202542
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はじめに
腰痛の原因として,椎間板由来,椎間関節由来,仙腸関節由来,椎体由来,筋・筋膜由来があるとされるが,そのうち椎間板由来のものは13〜39%と報告されている1,2).椎間板性腰痛のメカニズムとして,①椎間不安定性が生じる箇所に,②微小神経線維が侵入し,③椎間板内に疼痛関連物質が発現すること,が疼痛発生に関与していると考えられており3),その詳細な機序についてわれわれはさまざまな研究を通して明らかにしてきた.特に,マクロファージが疼痛関連物質発現に重要な働きをしている可能性が高く,本稿では椎間板内に発現する疼痛関連物質とマクロファージの働きを中心に詳述する.
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