臨床経験
四肢の血管損傷と血管系疾患—慶大整形外科過去10年間の症例より
田中 守
1
Mamoru TANAKA
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.973-978
発行日 1969年12月25日
Published Date 1969/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904169
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最近整形外科領域においても血管外科に対する認識があらたになり,これはとくに四肢の外傷に起因する血管損傷をはじめ.脊椎・脊髄疾患,筋疾患に付随する四肢の循環障害,血管系奇形にもとづく四肢の発育異常,その他血管系障害による四肢の疼痛,運動障害などに関連して,これら血管系疾患に対するわれわれ整形外科医の態度が大きな課題となつて来ている.
そこで私は整形外科的愁訴を有する血管系疾患がどのような分布をしているのか,またこれら血管系疾患に対してわれわれが過去にとつてきた態度を省りみ,さらに将来に対処すべき方法を考慮しつつ,慶大整形外科過去10年間(昭和34年より昭和43年まで)における310症例の統計的観察(第1表)と自験例を中心に各疾患の特徴を諸家の意見を参考にして述べてみたい.
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