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English
研究と報告
最近30年間のうつ病の臨床統計—慶大精神神経科入院患者の統計より
Statistical Study of the Depressive Patients in Recent 30 Years: A statistic study of the inpatients at neuropsychiatry, Keio University
上島 国利
1
,
浅井 昌弘
2
,
工藤 行夫
1
Kunitoshi Kamijima
1
,
Masahiro Asai
2
,
Ikuo Kudo
1
1杏林大学医学部精神神経科学教室
2慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
1Dept., of Neuropsychiatry, Kyorin University School of Medicine
2Dept. of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
キーワード:
Depression
,
Clinical statistics
,
Admission duration
,
Chief complaint
,
Antidepressants
Keyword:
Depression
,
Clinical statistics
,
Admission duration
,
Chief complaint
,
Antidepressants
pp.683-695
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203281
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抄録 慶大精神神経科に,昭和20〜49年の30年間に入院したうつ病患者男子449名,女子357名,計806名を調査分析した。1)病型分類では双極性うつ病83名,単極性(狭義)410名,退行期132名,反応性90名,神経性68名,症状性23名であった。2)患者実数は昭和30年頃を境に著しく増加しているが,昭和35〜39年の5年間をピークとしてやや減少傾向にある。うつ病の全入院患者に占める割合は最近15年間は約17%で一定していた。3)入院期間が30日以内の患者は,昭和30年以降漸減し,91日以上の患者が漸増している。4)三環系抗うつ薬最大使用量が1日75mg以下の患者が最近5年間に激増し,逆に150mg以上の患者が激減している。電気ショック治療患者も減少している。5)最近15年間に,罪業・心気・貧困念慮ないし妄想などの思考内容の異常を主訴とするものが顕著に減少し,各種の身体症状を主訴とするものが増加した。6)誘因,生まれ月,遺伝負因,身体的既往歴,職業,学歴も調査した。
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