臨床経験
O脚とX脚—慶大整形外科最近9年間の集計
北野 正人
1
1慶応義塾大学医学部整形外科
pp.279-285
発行日 1966年6月25日
Published Date 1966/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908442
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下肢形態異常の中でもO脚とX脚は日常臨床上しばしば遭遇する変形であるが,その定義は内反膝,外反膝がそれぞれ左右対称的にほぼ同程度に現われた場合とされている.しかし広義にO脚即ち内反膝,X脚即ち外反膝と解し記載されている諭文もある.又その原因に関してはBöhm(1928),Bragard(1927)らの研究以来先天性或は原発性の0脚,X脚として現われ,又くる病,内分泌異常,ポリオ,膝関節炎,外傷等によつて病的肢態を呈するに至るもの等様々である.本邦では昔からO脚を有する人の頻度が高いと云われ,又戦前から戦後数年間まではO脚とくる病との関連性は極めて密接なものであつたが,近年生活水準の向上と共に本症によるものは急速に減少の傾向にある.今回著者は昭和31年以降9年間に慶大整形外科外来を訪れ,O脚(内反膝),X脚(外反膝)と診断された患者について集計的観察を行なつた結果,いささかの知見を得たので報告する.
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