Japanese
English
原著
水疱性類天疱瘡22例の統計的観察—慶大皮膚科過去10年間の経験例
Statistical Observations of Twenty-two Cases of Bullous Pemphigoid
高橋 慎一
1
,
清水 宏
1
,
原田 敬之
1
,
西川 武二
1
Shin-ichi TAKAHASHI
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takashi HARADA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.701-705
発行日 1986年8月1日
Published Date 1986/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203501
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要約 昭和49年1月より昭和58年12月末までの10年間に螢光抗体法所見により確認された水疱性類天疱瘡22例について検討した.男8例,女14例であり,発症年齢は17歳〜88歳,平均は62.0歳であった.男に比較的高齢発症の傾向が認められた.瘙痒は全例に認められ,粘膜疹は約30%の症例に認められた.好酸球増多は91%に認められ,全例で病勢との相関が認められた.血中抗基底膜部抗体は1例を除き全例(96%)で検出された.初回陰性例でも再検により初めて抗基底膜部抗体が検出された症例もあることより,初回陰性例でも繰り返し血中抗体を検索することが重要と考えられた.また約70%の症例で抗基底膜部抗体価は病勢と比較的相関していた.治療面においては,ステロイド内服が主体となるが,ステロイドの減量が困難な症例ではDDSを併用することにより,その減量が容易になる傾向が認められた.
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