慶大泌尿器科に於ける膀胱異物の症例—（戦後10年間の統計的観察）

FOREIGN BODIES IN THE BLADDER: CASES IN THE DEPT. OF UROLOGY, SCHOOL OF MEDICINE, KEIO UNIVERSITY

I．緒言

　本邦に於ける膀胱異物の報告は大正6年小沢氏^1）の18例の報告以来，昭和28年京大後藤，新谷両氏^2）の報告迄，総数312例である。私は慶大泌尿器科に於いて戦後10年間に20例を集めた。その後昭和29年末迄本邦文献から49例を得，前記後藤氏の312例に加えると総数361例となる。此れらの本邦例と比較観察をした。