論述
四肢血管疾患の診断
富重 守
1
1九州大学医学部整形外科
pp.129-137
発行日 1967年2月25日
Published Date 1967/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904188
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緒言
四肢血管疾患の中でも,動脈疾患のあるものは血管疾患の部分徴候としてあるいはまた血管系以外の全身疾患の部分徴候として認められる場合がある.然しながら,閉塞性動脈疾患では,その原疾患の如何に拘らず四肢末梢部に見られる症状は非常によく類似し,時に鑑別が困難なことさえある.外来患者の診察に当つては,四肢末梢に出現した症状が血管系に由来することを先づ確認し,次いでその症状が動脈系のものか静脈系のものかあるいは両者合併せるものかを知る必要がある.神経系疾患に由来する症状と血管疾患に由来する症状とは,自・他覚症状だけでは時に鑑別が困難なことがあり,血管系の特殊検査を要することが稀でない.実際に患者を診察するに際しての症状の把握の方法,動静系疾患の鑑別の要点並びに四肢血管疾患の特殊検査法等について述べる.
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