手術手技
慶大式人工膝関節について
伊勢亀 冨士朗
1
,
冨士川 恭輔
1
,
戸松 泰介
1
,
竹田 毅
1
Fujio ISEKI
1
1慶応義塾大学医学部整形外科教室
pp.559-567
発行日 1978年6月25日
Published Date 1978/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905725
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はじめに
Charnleyは1950年後半に股関節は境界潤滑をするものとの確信にもとづいて人工股関節を開発し,1960年代に入つてその臨床成績を発表している.その後股関節全置換術(THR)は多くの工学的改良がなされていくつかのモデルに集約され,臨床における信頼性も次第に確立されて今日の隆盛をみるようになつている.
一方膝関節では股関節とは運動性を異にすることもあつて膝関節全置換術(TKR)の開発はやや遅れ,はじめは従来のWalldiusやShiers,片山などのHinge型人工膝関節が好んで行なわれていた.その後1960年代に入ると膝関節のころがりやすべり,回旋などを加味したSheehan,Rossah,Malthews,西などのSledged Hinge型やLink型が膝のspherocentricな運動を目的として開発されている.1970年代になるとsurface replacementとかshell typeと言われるモデルの開発が進み,PolycentricやGeomedicに代表される多くのTKR1,4)が開発され本邦においても岡大式,北里大式,独協大式,聖マリアンナ大式,吉野式,慶大式などが報告されている(第1表).
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