論述
股関節固定術
河野 左宙
1
,
河路 渡
1
,
宮崎 通城
1
,
長谷川 愫
1
,
佐久間 功一
1
Sachu KONO
1
1新潟大学医学部整形外科学教室
pp.944-952
発行日 1968年11月25日
Published Date 1968/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904002
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はじめに
各種股関節疾患に対する関節固定術は,整形外科領域では重要な手術に属する.この手術に関しては多くの研究者によつて,いろいろな手術法が案出され,報告されているが,それを一つ一つ追試して優劣を論ずるわけにゆかないほど多数である.
この手術は他の関節の固定術に比べて手技がやや複雑なことと,熟練した術者によつても10〜40%の手術不成功例が報告されていることなどから(第1表),固定術の適応を認めても,手術に踏み切ることを躊躇するむきもある.一方,成長期の若年者に対しては固定術後の成長障害や逐年的に起こる肢位の変化,例えば屈曲内転肢位の増強なども考慮されねばならないし,老人では手術後の強直発現の遅延と長期固定に伴う各種合併症なども念頭におかねばならない.
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