Japanese
English
綜説
膝関節形成術の経験
Arthroplasty of the Knee Joint
河野 左宙
1
Sachu KONO
1
1新潟大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Niigata University School of Medicine
pp.933-942
発行日 1961年11月20日
Published Date 1961/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202832
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私は昭和23年に開かれた第21回日本整形外科学会総会において,私の恩師神中正一教授が九州大学において25ヵ年間に施行された関節形成術407例の臨床経験に基いた宿題報告を神中教授に代つて演説した.その報告で私が担当したのは再癒着防止法についての研究が主要部分であつたが,クローム硬化自家筋膜(JK膜)を関節形成術に応用した点で一つの新しい試みであつた.その当時,関節形成術の対象となつた関節は膝,肘,股の3関節がその大半を占めていたが,その手術成績は膝,肘がもつとも優れ,股関節はかなり劣つていた.とりわけ長期観察例で股関節手術症例の約半数は疼痛のため杖の使用を必要とする状態であつた.
この論文で私は肘,股関節については省略し,膝関節形成術について,私が新潟大学における過去10ヵ年間の経験を基にして述べてみたいと思うが,この10年間の私の手術経験は,九州大学のそれに比べて症例が少なく,31例に過ぎない(第1表).
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