シンポジウム 変形性股関節症の手術療法
変形性股関節症に対する股関節固定術
伊藤 惣一郎
1
,
小野 勝雄
1
,
田中 耿介
1
Soichiro ITO
1
1新潟大学医学部整形外科学教室
pp.570-578
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905017
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はじめに
変形性股関節症に対する手術的療法は,大腿骨転子間骨切り術,筋解離術,股関節固定術および関節全置換術を主とする股関節形成術およびそれらの合併手術と近年大きな進歩をとげてはきたが,治療を担当する整形外科医によりその手術の適応についての考え方になお大きな差のあることはいなめない.
このうち進行した片側性変形性股関節症に対する股関節固定術は1回の手術で確実な無痛性と支持性が得られることで,特に重労働者に対してすぐれた手術法であることは一般に認められているところである13,14,20).また,両側例でも症例によつては,その一側に起立支持性を獲得させることが反対側に免荷による好影響を与えることはRing9),Watson-Jones13),Alvik2),Ehalt4),Boos3)らも述べているところである.
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