今月の主題 凝固制御
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血友病患者インヒビターの産生と制御
瀧 正志
1
Masashi TAKI
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院小児科
キーワード:
血友病
,
インヒビター
,
免疫寛容導入療法
Keyword:
血友病
,
インヒビター
,
免疫寛容導入療法
pp.1593-1597
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101842
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1.はじめに
血友病の止血治療は20世紀後半大きく進歩し,重篤な出血の止血管理および大手術も可能となった.しかし,21世紀に残された課題もまだ多く,その一つは根治療法である.その方略の一つとして遺伝子治療に大きな期待が寄せられているが,臨床応用までには解決すべき問題が多い.もう一つの大きな課題は,インヒビターに関連することで,インヒビター発生時の止血治療,インヒビターの消失をはかる治療法,さらにインヒビターを発生させない治療法の確立である.インヒビターに関していまだ不明な点が多く,本稿ではインヒビターの産生と制御について,最近の知見を中心に概説したい.
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