専門分野/この1年の進歩
日本手の外科学会―この1年の進歩
平澤 泰介
1,2
1京都府立医科大学整形外科
2第43回日本手の外科学会
pp.1264-1266
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903113
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■学術集会のトピックスより
1.手の外科の治療の進歩と問題点
手および前腕の皮膚欠損には有茎鼠径あるいは腹壁皮弁が,また広範囲な組織の欠損に対しては遊離(筋)皮弁が用いられてきた.本学会では直径0.5mm前後の筋内穿通血管を茎とするperforator flapを用いる方法で手の組織欠損の再建を行った症例が報告された.前腕の変形,短縮に対するWagner法および仮骨延長法の術後成績の比較検討が報告され,少ない手術回数で済む仮骨延長法を第一選択として考え,仮骨形成不良例にはWagner法も考慮することが指摘された.上肢先天異常に対する足趾関節の遊離移植により成長可能で動きの良い,疼痛のない関節を再建できた症例が報告されたが,donor足趾の欠損に関する問題も十分に考慮にいれた適応がなされなければならない.
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