Japanese
English
論述
脊髄腫瘍手術に伴う神経根切除後の神経脱落症状の検討
An Analysis of Neurological Deficit after Resection of Involved Root in the Surgery of Spinal Cord Tumor
山下 敏彦
1
,
竹林 庸雄
1
,
横串 算敏
1
,
三名木 泰彦
1
,
金谷 邦人
1
,
石井 清一
1
Toshihiko Yamashita
1
1札幌医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo Medical University
キーワード:
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
,
nerve root resection
,
神経根切除
,
neurological deficit
,
神経脱落症状
Keyword:
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
,
nerve root resection
,
神経根切除
,
neurological deficit
,
神経脱落症状
pp.603-608
発行日 1998年5月25日
Published Date 1998/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902435
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抄録:脊髄腫瘍手術に伴い,上肢および下肢機能に関連する神経根を切除した20症例(男性13例,女性7例)について,術後の神経脱落症状の有無と回復経過を調査した.術後3例に運動機能の悪化が,6例に知覚の悪化が出現し,神経脱落症状の発生率は45%であった.運動機能が悪化した3例は,術後4~8ヵ月で正常筋力に回復した.一方,知覚障害は長期間残存する傾向にあった.術前の筋電図検査で罹病神経根支配筋に脱神経電位を認めた1例で,術後運動機能が悪化した.脱神経電位を認めなかった5例では,運動機能の悪化は起こらなかった.
神経根を切除しても神経脱落症状が発生しないメカニズムとして,1)上・下肢の筋の多くが多重神経支配を受けていること,2)腫瘍神経根の支配筋では,隣接神経終末からのsproutingにより代償性神経支配が成立することなどが推測される.
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