Japanese
English
臨床経験
馬尾部同一神経根に生じた多発性神経鞘腫の1例
A Case Report of Multiple Neulinoma of the Cauda Equina
久野 成人
1
,
岩井 宏次
1
Naruto Kuno
1
1久野病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kuno Hospital
キーワード:
cauda equina
,
馬尾
,
multiple neulinoma
,
多発性神経鞘腫
,
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
Keyword:
cauda equina
,
馬尾
,
multiple neulinoma
,
多発性神経鞘腫
,
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
pp.99-101
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901821
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抄録:今回われわれは馬尾部の同一神経根に多発した神経鞘腫の稀な1例を経験したので報告する.症例は44歳の男性で右下肢痛を主訴とし来院した,髄液検査,ミエログラフィー,CTM,ガドリニウムDTPA造影MRI等により馬尾部の多発性脊髄腫瘍と診断し,手術を行った.術中,左S2神経根に沿って数珠状に生じた大小10個の腫瘍を認め,罹患神経とともに腫瘍を摘出した.病理組織診断は神経鞘腫であった.術後,症状は消失し,神経脱落症状もなく退院した.術後1年6ヵ月の現在,再発は認めない.
多発性脊髄腫瘍の発生頻度は,脊髄腫瘍全体の3~4%と報告されているが,本症例のように神経鞘腫が馬尾部の同一神経根のみに多発していたものはわれわれが調べた限りでは過去6例のみであり,稀であると考えられた.
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