Japanese
English
特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
脊髄腫瘍非手術例の検討
Clinical Study of Non-Operative Patients with Spinal Cord Tumors
鎌田 修博
1,2
,
戸山 芳昭
1
,
松本 守雄
1
,
市村 正一
1
,
鈴木 信正
1
,
藤村 祥一
1
,
福井 康之
1
Michihiro Kamata
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科
2けいゆう病院
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
,
natural course
,
自然経過
,
MRI
,
磁気共鳴映像法
Keyword:
spinal cord tumor
,
脊髄腫瘍
,
natural course
,
自然経過
,
MRI
,
磁気共鳴映像法
pp.433-437
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902412
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抄録:MRIの普及により自覚症状の軽微な脊髄腫瘍が発見され,手術適応に躊躇する例が増えている.そこで今後の対応の一助とするため,手術を行わずに経過を観察した脊髄腫瘍17例の臨床像と画像所見,臨床経過を検討した.腫瘍の横断位占拠部位は硬膜内髄外6例,髄内と砂時計腫が各4例などで,その占拠高位は頚髄および脊髄円錐部以下に多く,病理組織学的には神経鞘腫11例,神経線維腫2例などであった.自覚症状は無症状5例,疼痛のみ7例などで,軽度の神経学的異常所見を髄内腫瘍3例にのみ認めた.自覚症状の経過は,改善1例,変化なし15例,悪化1例で,他覚的に神経障害の悪化をきたした例はなかった.以上より,症状のきわめて軽微な脊髄腫瘍では,臨床像と画像所見を検討し,インフォームドコンセントを得た上で,経過を観察することも選択肢の1つと思われる.
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