Japanese
English
臨床経験
肩峰骨髄炎により化膿性肩峰下滑液包炎と肩関節下方亜脱臼が発生した1例
Septic Subacromial Bursitis Associated with Inferior Subluxation of the Shoulder Joint : A Case Report
岩本 潤
1,2
,
芝田 仁
1
,
阿部 均
1
,
宮坂 敏幸
1
,
月村 泰規
1
,
中西 芳郎
1
Jun Iwamoto
1,2
1北里研究所病院整形外科
2慶應義塾大学整形外科
1Department of Orthopedics, Kitasato Institute Hospital
キーワード:
septic subacromial bursitis
,
化膿性肩峰下滑液包炎
,
inferior subluxation of the shoulder joint
,
肩関節下方亜脱臼
,
steroid injection
,
ステロイド注入
Keyword:
septic subacromial bursitis
,
化膿性肩峰下滑液包炎
,
inferior subluxation of the shoulder joint
,
肩関節下方亜脱臼
,
steroid injection
,
ステロイド注入
pp.1091-1094
発行日 1996年9月25日
Published Date 1996/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902004
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:11年前の肩鎖関節脱臼に対するKirschner鋼線刺入による肩峰骨髄炎から,化膿性肩峰下滑液包炎と肩関節下方亜脱臼が発生した1例を報告する.症例は30歳男性で,肩峰下インピンジメント症候群の診断下に肩峰下滑液包内へのステロイド注入後,炎症症状と肩関節下方亜脱臼が出現した.関節穿刺では2ccの黄色透明の関節液を得たのみであったが,症状が急速に増悪したため手術を施行し,肩峰骨髄炎から波及した化膿性肩峰下滑液包炎であることが判明した.下方亜脱臼の成因は,肩峰下滑液包内圧の上昇,関節液貯溜による関節内陰圧の消失と周囲筋の不均衡の相加的作用と推測された.肩鎖関節脱臼に対する手術の既往がある肩関節障害例へのステロイド注入は,少なくともピン・トラック・インフェクションの既往を確認した上で行うべきことを強調したい.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.