Japanese
English
臨床経験
肩峰下滑液包に発生した骨軟骨腫症の1例
A Case Report of Osteochondromatosis in the Subacromial Bursa
石川 知志
1
,
田島 宝
2
,
杉山 晴敏
2
,
森山 明夫
3
Tomoji Ishikawa
1
1東京厚生年金病院整形外科
2静岡済生会総合病院整形外科
3静岡医療福祉センター児童部
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Koseinenkin Hospital
キーワード:
osteochondromatosis
,
骨軟骨腫症
,
subacromial bursa
,
肩峰下滑液包
,
arthroscopy
,
関節鏡
Keyword:
osteochondromatosis
,
骨軟骨腫症
,
subacromial bursa
,
肩峰下滑液包
,
arthroscopy
,
関節鏡
pp.745-748
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902201
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抄録:肩峰下滑液包に発生した骨軟骨腫症の治療経験を報告する.症例は,52歳の男性で,左肩痛を主訴に受診した.X線像,CT像,MRIで肩峰下滑液包の骨軟骨腫症が疑われた.関節鏡により肩甲上腕関節内に遊離体が存在しないことを確認した.肩峰下滑液包内に多数の遊離体が存在していた.滑膜に充血した部分はあるが,滑膜に連続した腫瘤はなく,鏡視下に遊離体を摘出し,充血の強い部分のみ滑膜切除を行った.術後1週間で肩の疼痛は消失し,2週間で肩の屈曲,外転は完全に可能となった.
肩の機能を考慮すると肩峰下滑液包発生の骨軟骨腫症の全例に広範な滑膜切除を行う必要はないと思われる.関節鏡により,滑膜の状態を観察し,それにより遊離体の摘出に追加する滑膜切除の範囲を決めるべきである.本疾患の治療における関節鏡の役割は大きい.
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