Japanese
English
臨床経験
巨大な腫瘤を呈した肩峰下滑液包炎の1例
Subacromial Bursitis Mimicking a Soft Part Tumor
高山 景範
1
,
白井 康正
1
,
伊藤 博元
1
,
橋口 宏
1
,
井出 勝彦
1
,
水江 史樹
1
,
丸山 晴久
1
Akinori Takayama
1
1日本医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nippon Medical School
キーワード:
subacromial bursa
,
肩峰下滑液包
,
inflammation
,
炎症
,
rice body
,
米粒体
Keyword:
subacromial bursa
,
肩峰下滑液包
,
inflammation
,
炎症
,
rice body
,
米粒体
pp.1111-1115
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902528
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抄録:巨大な腫瘤を呈し軟部腫瘍を思わせた,多数の米粒体を含む肩峰下滑液包炎の1例を経験したので報告する.症例は49歳男性で,右肩関節の腫瘤を主訴に来院した.単純X線は正常で,シンチグラム(Tc-HMDP)では局所に集積の亢進を認めた.MRIではT1強調画像で滑液包は中等度の均一な信号領域を,T2強調画像では高信号領域のなかに蜂巣状の低信号領域を認めた.針生検で異型細胞はなく,細菌培養は陰性で,ツベルクリン反応も陰性であった.手術にて滑液包を摘出した.術後2年を経過し,局所再発はなく,右肩関節機能も正常である.滑膜の組織所見は,絨毛状増殖と炎症性細胞の浸潤を認めた.米粒体はフィブリンが主体であるが,剥脱滑膜上皮細胞や膠原線維が混在し,多様な像がみられた.滑膜に軟骨化生や軟骨細胞はみられず,本症の病態は慢性滑膜炎と考えられた.
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