Japanese
English
臨床経験
先天性拘縮性くも指症の1例
A Case of Congenital Contractural Arachnodactyly
二井 英二
1
,
矢田 浩
1
,
原 親弘
1
,
浜口 謙蔵
2
,
山崎 征治
3
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2浜口整形外科
3上野総合市民病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
くも指症
,
arachnodactyly
,
関節拘縮
,
joint contracture
,
Marfan症候群
,
Marfan syndrome
Keyword:
くも指症
,
arachnodactyly
,
関節拘縮
,
joint contracture
,
Marfan症候群
,
Marfan syndrome
pp.745-749
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901398
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抄録:比較的稀な先天性拘縮性くも指症(congenital contractural arachnodactyly)の1例(1家系)を経験したので報告した.症例は,生後1カ月の男児で,高身長と耳介の特異な変形を認め,手指はやや細長く,固く握り,足部,足趾もやや細長く,前足部の軽度の内転変形,四肢の大関節の拘縮がみられた.母親にも同様の耳介変形,上部胸椎部で後弯,細長い手指がみられた.また,母方の祖母にも同様の耳介変形と細長い手指,指関節の軽度の屈曲拘縮がみられ,母方家系内に同様の症状をもつものの多発を認めた.先天性拘縮性くも指症は,現在までに欧米では100余例,本邦では22例の報告がみられているが,家系内発生の報告が多く,常染色体性優性遺伝が考えられている.鑑別診断としては,Marfan症候群ホモシスチン尿症,Achard症候群,遠位関節拘縮症候群などがあげられるが,特にMarfan症候群との鑑別が重要である.
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