発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010211533
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症例(24歳男性)。患者は出生時より先天性橈尺骨癒合症を指摘されていたが支障はなく、今回、左母・示指のしびれが出現し、著者らの施設へ受診となった。精査の結果、橈骨頭前方脱臼を伴う先天性橈尺骨癒合症(Cleary分類IV型)と診断され、本症例では肥大した橈骨頭と肘関節の動揺性により橈骨神経麻痺を来していると考えられ、橈骨神経の剥離と橈骨頭の部分切除が行なわれた。その結果、術直後よりしびれの軽減がみられ、術後2ヵ月で感覚鈍麻は消失したものの、右側にも同様の症状が出現したため、初回手術から6ヵ月後に同様の手術が施行された。以後、左側は術後2年、右側は1年6ヵ月経過で、橈骨神経領域の症状は軽快したが、両側の尺骨神経領域には軽度のしびれが残存している。
©Nankodo Co., Ltd., 2010