Japanese
English
臨床経験
Marfan症候群(不全型)に伴う頸椎高度後彎変形の1治験例
A Case of Severe Kyphosis of the Cervical Spine associated with Marfan Syndrome
手塚 正樹
1
,
里見 和彦
1
,
若野 紘一
1
,
平林 洌
1
Masaki Tezuka
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio-Gijuku University
キーワード:
Marfan症候群
,
Marfan syndrome
,
頸椎後彎
,
cervical kyphosis
,
spinal instrumentation
Keyword:
Marfan症候群
,
Marfan syndrome
,
頸椎後彎
,
cervical kyphosis
,
spinal instrumentation
pp.1383-1388
発行日 1986年12月25日
Published Date 1986/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907530
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抄録:Marfan症候群不全型に伴う頸椎高度後彎変形の1症例を経験したので報告する.症例は21歳,男性,主訴は頸部後屈障害と硬直感であった.頸部は約30°前傾し,後屈は著明に制限され,長身痩躯,蜘蛛状指,漏斗胸を呈していた.心エコー検査で僧帽弁の逸脱と,軽度の先天性白内障が認められた.頸部X線所見では,C4〜C6に58°の後彎変形と,C4/5,5/6,6/7椎間の椎体上下縁に著明な前棘及び各椎間の軽度の前方辷りがみられ,C1/2間には前方亜脱臼が認められた.Marfan症候群の脊柱変形は一般に進行性であり,将来おこりうる神経障害の予防のため,後彎の矯正とともに強固な脊椎固定が必要であると判断した.Haloを装着し,徐々に牽引し,後彎32°でhalo-vestを装着した.頭蓋牽引下で一期的に前方解離→後方固定(Luque rodを使用)→前方固定術を施行した.術後の後彎度は5°と著明に改善し,強固な固定にも拘らず,20°の可動域が保たれている.
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