Japanese
English
臨床経験
多発性骨癒合症の1例
A Case of Multiple Synostosis Syndrome
二井 英二
1
,
小保方 浩一
1
,
矢田 浩
1
,
原 親弘
1
,
荻原 義郎
2
,
山崎 征治
3
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2三重大学医学部整形外科
3上野総合市民病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
多発性骨癒合症
,
multiple synostosis syndrome
,
指節癒合
,
symphalangism
,
頭蓋骨早期癒合症
,
craniosynostosis
Keyword:
多発性骨癒合症
,
multiple synostosis syndrome
,
指節癒合
,
symphalangism
,
頭蓋骨早期癒合症
,
craniosynostosis
pp.1051-1054
発行日 1993年9月25日
Published Date 1993/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901203
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抄録:多発性骨癒合症は,指骨,手根骨,足根骨,肘関節などに骨癒合のみられる比較的稀な先天性奇形の総称である.今回,我々は,特異な顔貌,手根骨および足根骨癒合,股関節脱臼,側彎,難聴,精神発達遅滞などを伴った多発性骨癒合症と思われる1例を経験したので報告した.多発性骨癒合症は,欧米では約40例,本邦では18例の報告がみられるが,癒合骨の部位,数は症例ごとに異なっており,多発性骨癒合症と診断するための最低基準に関して,現在のところ定説はなく,若干の混乱がみられている.我々は以前,現在までに報告されている多発性骨癒合症の症状をまとめ,多発性骨癒合症の診断基準を作成し報告している.骨癒合症状を主要症状,その他の合併症状を周辺症状とし,主要症状,周辺症状がそれぞれ2つ以上存在すれば,全身の骨格疾患要素のひとつの表現型と考え,多発性骨癒合症と診断しうるとした.本症例もこの診断基準を満たすものと考え,多発性骨癒合症と診断した.
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