Japanese
English
臨床経験
遠位関節拘縮症候群の1例
A Case of Distal Arthrogryposis Syndrome
二井 英二
1
,
小保方 浩一
1
,
原 親弘
1
,
平田 仁
2
,
須藤 啓広
2
,
藤浪 周一
2
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2三重大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
遠位関節拘縮症候群
,
distal arthrogryposis syndrome
,
先天性多発性関節拘縮
,
arthrogryposis mutiplex congenita
,
舌奇形
,
tongue anomaly
Keyword:
遠位関節拘縮症候群
,
distal arthrogryposis syndrome
,
先天性多発性関節拘縮
,
arthrogryposis mutiplex congenita
,
舌奇形
,
tongue anomaly
pp.1187-1190
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900967
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抄録:遠位関節拘縮症候群に舌奇形を伴った稀な1例を経験したので報告した.症例は,1歳3カ月の女児で,両側手指に屈曲拘縮,両足関節に尖足変形がみられ,その他の近位関節には拘縮はみられなかった.舌は,両側縁が上方に反転し,巻き舌状に変形しており,常時口唇より突出していた.Hallは,遠位関節拘縮症候群を遠位関節の拘縮のみで,顔面脊柱に奇形または変形のみられないものを1型,みられるものをII型に分け,さらにII型をその合併奇形により5つの亜型に分類している.II型の報告は非常に稀であり,また,これらの分類のいずれにも当てはまらない症例の報告が散見されている.また,舌の奇形は非常に稀なもので,報告例は少なく,特に本症例のように巻き舌様の奇形は,我々が調べ得た限りでは本邦において報告はみられない.本症例も舌奇形を伴っていることからII型に分類できると思われるが,どの亜型にも分類不可能であり,単に遠位関節拘縮症候群II型とすべきであると思われた.
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