Japanese
English
臨床経験
大動脈縮窄症手術後,対麻痺をきたした1例
A Case of Paraplegia Following Surgery for Coarctation of the Aorta
二井 英二
1
,
小保方 浩一
1
,
原 親弘
1
,
平田 仁
2
,
須藤 啓広
2
,
藤浪 周一
2
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2三重大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
対麻痺
,
paraplegia
,
虚血性脊髄麻痺
,
ischemic myelopathy
,
脊髄の血行
,
blood supply of spinal cord
,
大動脈縮窄症
,
coarctation of the aorta
Keyword:
対麻痺
,
paraplegia
,
虚血性脊髄麻痺
,
ischemic myelopathy
,
脊髄の血行
,
blood supply of spinal cord
,
大動脈縮窄症
,
coarctation of the aorta
pp.945-947
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900919
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抄録:大動脈縮窄症の術後,虚血性の脊髄麻痺をきたした1例を経験したので報告した.大動脈縮窄症手術後の脊髄麻痺の合併率は,1%以下と言われ,欧米における報告例は少なからずみられるが,本邦においては3例をみるのみであり,極めて稀である.麻痺の発生原因としては,手術時における下行大動脈の遮断であり,遮断による遠位側の低血圧,術中の高体温,術中の低血圧,大動脈遮断に伴う脳脊髄圧の上昇などが知られているが,特に術中の低血圧,高体温が重要な因子であり,遮断時間には相関性はないとの報告が多い.大動脈疾患手術後の脊髄麻痺は,弛緩性の完全麻痺の症状を呈することが多く,麻痺レベルとしては,Adamkiewicz arteryの支配領域に起こることが多い.大動脈縮窄症手術後に虚血性の脊髄麻痺が起こる際の麻痺レベルについては,文献的に詳しい記載はないが,分水界と考えられている第1腰髄髄節を中心にした領域に起こりやすいと思われた.
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