Japanese
English
臨床経験
I-cell病(mucolipidosis II)の1例
A Case of I-cell Disease (Mucolipidosis II)
二井 英二
1
,
小保方 浩一
1
,
原 親弘
1
,
藤澤 幸三
2
,
山崎 征治
3
,
中野 千鶴子
4
Eiji Nii
1
1三重県立草の実学園整形外科
2鈴鹿回生病院整形外科
3上野総合市民病院整形外科
4国立療養所鈴鹿病院小児科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
I-cell病
,
I-cell disease
,
ムコリピドーシスII
,
mucolipidosis II
,
ムコ多糖症
,
mucopolysaccharidosis
,
ハーラー症候群
,
Hurter syndrome
Keyword:
I-cell病
,
I-cell disease
,
ムコリピドーシスII
,
mucolipidosis II
,
ムコ多糖症
,
mucopolysaccharidosis
,
ハーラー症候群
,
Hurter syndrome
pp.763-766
発行日 1992年6月25日
Published Date 1992/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900886
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抄録:比較的稀な糖蛋白代謝異常症のひとつであるI-cell病(Mucolipidosis II)の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.
I-cell病は,酸性水解酵素のリン酸化障害によって,リソゾーム内への酵素の取り込みが低下し,体液中での酵素活性の上昇を認めることを特徴とする常染色体劣性遺伝疾患である.臨床的には,ムコ多糖症であるHurler症候群に酷似しているが,尿中へのムコ多糖の排泄増加がみられず,ムコ多糖症に比較して症状発現が早く,進行も急激である.
本症の病因は,UDP-Nアセチルグルコサミン-1-ボスホトランスフェラーゼの活性の低下が一次障害であると考えられている.
診断は,理学所見,X線所見などの臨床所見により可能であるが,確定診断には,酸性水解酵素の培養皮膚線維芽細胞中での活性低下,血清,尿,髄液など体液中での活性上昇を証明することが必要である.
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