特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
座長総括
「Ⅲ.病態と診断(2)」の部
蓮江 光男
1
Mitsuo Hasue
1
1日赤医療センター整形外科
pp.357-358
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900063
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このセッションでは,下部腰椎の不安定性(主として変形すべりや変性側彎)を,CTを含むX線検査によってどう診断するか,X線所見と臨床症状との関連性はどうか,さらにすべりの発生機序についての発表・討論がなされた.
福島ら(徳島大)は単純X線検査とCT検査により,変性すべり症群と対照群との対比を行った.変性すべり症のX線学的特徴は,腰椎前彎の増強,すべり椎の台形化,椎弓角の鈍化,椎間関節の矢状面化,すべりおよびシーソー現象であると述べた.また,自然経過によりおよび手術後にすべりが増大した5例をすべり不変例と比較し,腰椎前彎度31度以上,椎間関節開角66度以下,すべり運動距離2mm以上,シーソー現象のうち,3項目以上陽性なのは,すべり進行の危険性があるとした.なお,不安定性自体は神経症状発症に,直接関与していないと推定した.
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