特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)
座長総括/「V.腰椎の脊柱管内靱帯骨化」の部
蓮江 光男
1
Mitsuo Hasue
1
1日赤医療センター整形外科
pp.354-355
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907815
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腰椎の単純X線側面像で,脊柱管内または椎間孔内に種々の小骨陰影が見られることが少なくない事実はかなり以前から認識されて来た.その中には後縦靱帯骨化(OPLL)や黄色靱帯骨化(OYL)と推定される骨陰影が含まれていたが,無症候性のことが多く手術例が少ないために,組織学的に確認される機会は少なかった.しかし脊柱靱帯骨化についての関心が高まるにつれ,脊柱全体について骨化発生の有無が検討されるようになり,頸胸椎ほどではないにせよ,腰椎部の靱帯骨化についても注目されるようになり,次第に報告が増加している.またCT検査の普及に伴い,単純X線写真では確認できなかった脊柱靱帯骨化が,部位診断も含め詳細に把握されるようになり,神経根症状の原因病態として重要視されるようになって来たわけである.
野田ら(山口大)は腰椎OPLLを有する31症例を検討し,単純X線写真のみでも注意深い読影を行えばOPLLはかなり多く見られること,しかしOPLLが症状の原因と思われたのは7例で無症状例が多いこと,有症状群は全例限局型で多椎間に骨化があり狭窄率が高度であったこと,7例中6例に手術を施行し結果良好であったことなどを述べた.本発表は掲載論文となるので参照されたい.
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