特集 脊椎・脊髄外科診断学の進歩(第14回日本脊椎外科研究会より)
座長総括/「Ⅱ.CT(2)腰椎」の部
蓮江 光男
1
,
辻 陽雄
2
Mitsuo Hasue
1
,
Haruo Tsuji
2
1日赤医療センター整形外科
2富山医科薬科大学整形外科学教室
pp.329-330
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907378
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腰椎部のCT検査は,骨組織や骨性脊柱管の水平横断面での描出のみでなく,椎間板や神経根組織などの非骨性組織の病態の把握に広く用いられるようになった.さらにそのreformationにより,水平横断面以外の種々の断面での病態把握にも利用可能となって来た.このセッションでは主として腰部脊柱管狭窄と椎間板ヘルニアについての検討が報告された.
II-15遠藤らは変形性腰部脊柱管狭窄の病態を,CT像から8型に分類した.臨床上問題となることの最も多いL4-5間には,あらゆる型の変化がみられ,また椎間関節開角と椎間関節間距離には,対照群との間に有意差があったと述べた.この発表に対して,CT像という形態学的所見と臨床症状との関連性についての質問があったが,病変は多椎間に見られることが多く,どの所見が症状と結びつくかの決定は困難であるとの返答があった.CT検査の限界の1つと言えよう.
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