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あとがき
松山 幸弘
pp.972
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202101
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今回は和歌山県立医科大学の山田宏教授に「視座」から,われわれ臨床医に素晴らしいお言葉をいただいた.それは紀州・和歌山が生んだ偉人,華岡青洲の人生訓であり,医療理念の「内外合一・活物窮理」である.
内外合一とは,「外科手術を行うには,患者さんの全身状態を詳しく診察して,十分に把握した上で治療すべきである」という意味で,これは比較的わかりやすい表現と思うが,「活物窮理」はいささか難解である.これは,「われわれは解剖や病態生理の基本を熟知し,その上でよく患者を診察し,診断治療をすることが大切」という教えである.確かにガイドラインやマニュアルに沿った診療しかできない,病気を診て患者を診ない医師が増えているような気がするが,ハッとする教えである.
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