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あとがき
松山 幸弘
pp.200
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200133
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今月号は誌上シンポジウムとして「関節リウマチ—生物学的製剤使用で変化したこと」が取り上げられた.このテーマは読者の皆様方が待ちに待った内容であろう.2000年代以降多くの生物学的製剤が出現し,リウマチの治療は症状緩和治療から臨床的寛解治療へ大きく変化した.すでに本邦でも寛解率は25%を越えてきており,関節破壊抑制効果が顕著となった.この生物学的製剤が保存的治療効果のみならず,リウマチ外科,特に関節外科と脊椎外科へ与えた影響は大きいと思われるが,製剤発売後10年を超えた現在,実際にどのような功罪が起こったのかを評価すべき時期にきていると思う.
リウマチ関節外科,脊椎外科領域のトップランナーにその詳細を誌上討論していただいている.なるほどと思われる読者や,意外な感じを受ける読者もいらっしゃると思うが,今回のシンポジウムでは非常に興味深い内容となっており読み応えがあると思う.私たちが生物学的製剤の功罪を考えるうえで,最も重要な点は「罪」も忘れてはならないことである.今回の誌上シンポジウムでは,手術後の局所感染や創治癒へ与える変化,そして間質性肺炎,結核などの感染性疾患を含んだ内科的合併症の変化も取り上げられている.特に整形外科医として,術後感染の頻度や薬剤開始時期の問題,そしてその対処方法などは是非知りたい内容である.
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