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あとがき
松山 幸弘
pp.204
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200760
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今回の誌上シンポジウムでは,リバース型人工肩関節手術(RSA)が取り上げられています.私は脊椎脊髄外科が専門なので,このリバース型人工肩関節を使用して手術を行ったことはありませんが,私の医局でも高齢者の広範囲腱板断裂症例に適応しています.非常に便利な人工関節システムのようで,2014年から本邦で使用可能となり,すでに多くの症例に使用されています.しかし,どれほど便利で有効なシステムでも,適応や手術手技,そして合併症の予防や対応を誤ると問題が生じてきます.脊椎脊髄外科領域でも同様で,最近では腰椎側方椎体間固定(LLIF)がそうでした.このような新規医療機器を採用する場合には,より慎重な態度で進めていってほしいものです.まず適応については十分な検討のもとに決め,そしていざ手術を行う場合は解剖を熟知し,起こりうる合併症を予測しながら慎重に行うことが重要と考えます.私たち外科医にとってはOne of Themであっても,患者さんにとってはOnly Oneであることを忘れてはなりません.どれほど素晴らしい手術であっても,取り返しのつかない大きな合併症が生じれば,その手術は台無しとなります.悲しみしか残らないからです.
今回の誌上シンポジウムでは,そのシステムのよさ,手術適応,手術手技,起こりうる合併症,そして術後のリハビリテーションについて,日本の肩関節領域のトップランナーが論述しています.未経験の読者はもちろんのこと,経験のある整形外科医にとっても,より自分の知識を高めるうえで素晴らしい内容となっていると確信しています.
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