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2021年のゴルフマスターズ・トーナメントで松山英樹選手が日本人として初めて優勝し,久しぶりの明るいニュースに日本中が沸きました.私もダイジェストを見ましたが,屈指の難コースに世界中から選ばれた名選手が苦戦を強いられていました.ボールがフェアウェイを捉え,グリーンを捉えていれば良いのですが,必ずしもそうはならず,各選手が困難な位置からのリカバリーショットを強いられる場面も少なくありませんでした.そのような中でピンチになっても冷静にリカバリーショットを打ち,スコアをまとめる力のある選手が上位に来るという結果になりました.ゴルフと一緒にすると不謹慎かもしれませんが,われわれ整形外科医の手術にも相通ずるところがあるように思います.手術は常に順調に推移するとは限らず,術中あるいは術後経過観察中に不具合を生じてやり直し(いわゆるリカバリーショット)を強いられることも少なくありません.その際,いかに冷静に最善の策をとれるかが患者の方々への結果となって現れると思います.
今回の特集は神戸大学の黒田良祐先生にご企画いただいた「ACL再断裂に対する治療戦略」です.ACL再断裂という困難な状態に対していかに対応すべきか(いかに最善のリカバリーショットを打つべきか),経験豊かな先生方に病態やリハビリテーションも含めた治療法の実際をわかりやすく解説していただいています.視座では山口大学の坂井孝司先生にさまざまなハードルを乗り越えて英語論文を書く意義について,防衛医科大学校の堀内圭輔先生にはすでにおなじみの連載で英語論文を書く際の留意点についてそれぞれ論じていただきました.臨床経験3編,症例報告2編もいずれも大変興味ある論文です.
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