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あとがき
松本 守雄
pp.328
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202931
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今年,令和6年は非常に心の痛む幕開けになりました.元旦には能登半島地震が発生し,多くのかたがたが被災されました.発災から約1カ月の本稿執筆時点でも被災地のライフラインの復旧は十分ではなく,医療事情も大変厳しい状況と伺っています.そのような中で受傷者の治療や避難者の健康を守るために現地の医療スタッフのかたがたや他都道府県からのDMAT隊などによる医療活動が続けられており,その献身的なご尽力には敬服するのみです.被災者の皆さまにお見舞いを申し上げるとともに,1日も早い被災地の復旧・復興を願っております.
また,翌日には羽田空港での航空機事故が発生しました.航空機の安全確保体制はわれわれ医療者が医療安全管理(safety management)を推進する際の参考にされることも多いのですが,どのように体制整備を進めても,極めて低い確率ではあるものの事故が発生し得ることを改めて認識しました.ただ,幸いにも旅客機の乗員・乗客がすべて無事に脱出できたことは,日頃の訓練に基づいた乗員の適切な判断とそれに従った乗客の冷静な行動の成果であり,これも医療における危機管理(crisis management)に相通じるところがあると感じた次第です.
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