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あとがき
松本 守雄
pp.394
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200192
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今,スポーツ界の注目を集めているのはテニスの錦織 圭選手であろう.2014年には全米オープン2位をはじめとして諸大会で大活躍し,世界ランキングで日本人最高位となる5位まで到達している.これに触発されてテニスを始めた方もいらっしゃると聞くが,総務省や日本テニス協会の調査によれば,テニス人口そのものはバブル経済の末期以降,減少傾向を示し,また高齢化しているということで,なにやら社会の縮図をみているようである.テニス人口を増加させるための方策の1つがテニスをする子供の育成であり,全国でいろいろなプログラムが組まれ,将来のテニスプレーヤーあるいは愛好家を育てる努力が払われている.
わが国は類をみない少子高齢化社会に突入しており,整形外科領域でもロコモティブシンドロームをはじめとした高齢者の運動器障害への対策に大きく力が注がれている.一方で,小児への対応がないがしろにされてよいわけではなく,むしろ少ない子供が運動器の障害に悩むことなく健やかに育ち,後々の社会の健全な担い手になってもらうことは社会全体にとっても非常に重要であり,この点で整形外科医の果たす役割は大きい.
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