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本号が発刊されるころには2022年を迎えていることになるでしょう.2021年は新型コロナの波に何度も見舞われ,特に第5波による感染は猖獗を極め,全国で入院病床が枯渇し自宅療養を余儀なくされた患者が大量に発生しました.一方で,同時期に東京2020オリンピック・パラリンピックが賛否両論渦巻く中で開催されましたが,逆境の中で懸命にプレーを競い合う選手たちの姿が大きな感動を呼びました.10月に入り感染もいったん収束し,街に人が戻ってきて賑やかになってきました.ハイブリッド形式で開催される学会も現地参加者が増え,お互い顔を合わせながら質疑応答をすることで,オンラインではなかなか難しい深掘りした議論を交わすことができるようになりました.また,久しぶりに再会した面々はさまざまな談義に花を咲かせ,楽しいひとときを過ごすとともに,雑談の中から新しい研究プロジェクトが生まれたりもしております.このように,人と人とが直接会う,話す,競うことで何かが生まれます.ウィズコロナの時代はこれからも続くと思いますが,コロナへの接し方もだいぶわかってきましたので,感染対策をしながら直接会う機会が増えていけばよいと思います.
さて,本号では原口直樹先生により足関節周囲骨折に関する特集が組まれております.本骨折は非常に頻度の高い身近な外傷ですので,整形外科医として最新の知識を身に付けておくことが必要と思います.今回は実に11名もの本分野におけるエキスパートの先生方に本骨折に関する最先端の情報を記述していただいており,大変網羅的な特集になっています.Lectureでは林 克洋先生に骨転移キャンサーボードについて,松橋智弥先生にリバース型人工肩関節置換術についてご解説いただいており,いずれも近年注目されているトピックです.臨床経験,症例報告も含め本号も大変充実した内容になっておりますので,是非ご一読いただければと思います.
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