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あとがき
仁木 久照
pp.656
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201404
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あとがき
2019年4月10日,アインシュタインの一般相対性理論が実証されてから100年の節目になる年に,巨大ブラックホールとその影の存在を初めて画像で直接証明することに成功したことが発表されました.世界中の電波望遠鏡をつなぎ合わせて地球サイズの仮想的な望遠鏡を作り上げて成し遂げられたとのことです.「地球から5500万光年の距離にあり,質量は太陽の65億倍…」と説明されても私にはピンときませんが,オレンジのリング状にみえる画像には,わくわく感と同時に何故かなんともいえない不安も感じました.人間はどこまで成し得るのでしょう.日本では「令和」という新しい元号となりますが,平和で豊かな時代が続くことを心から祈りたいと思います.
さて,今月の誌上シンポジウムは「変形性膝関節症における関節温存手術」で,中村憲正先生が企画されました.TKA施行例が年間10万件を超える今,膝周囲骨切り術,靱帯,半月板や軟骨修復すべてを一期的,二期的にかかわらず併用する生物学的膝関節機能再建biological knee reconstructionという概念が注目され,関節温存手術に対する日本ならではの様々な創意工夫が報告されています.まさにタイムリーな話題といえるでしょう.本企画を通じて,変形性膝関節症に対する骨切り術から再生医療まで,関節温存手術の最新事情に触れていただければと思います.
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