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あとがき
仁木 久照
pp.996
発行日 2016年10月25日
Published Date 2016/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200665
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8月21日,Rioオリンピックが無事閉会しました.テロを心配しながらの大会でしたが,史上最多のメダル獲得という日本人選手の大活躍に大いに元気をいただきました.寝不足の毎日が続いたのではないでしょうか.残念ながら目標達成には至らなかった選手も含め,関係者の方々,本当にご苦労様でした.4年後はTokyoオリンピックです.資金難や準備の遅れなどの懸念材料もありますが,勤勉でまじめな日本人ですから,おそらくよい方向に向かうでしょう.また,多くの整形外科の先生方がいろいろな形でご参加,ご支援されるものと思います.ご活躍を心よりお祈りいたします.
さて,今月の誌上シンポジウムは「高気圧酸素治療の現状と可能性」で,川嶌眞人先生が企画されました.コンパートメント症候群,スポーツ外傷,化膿性骨髄炎,糖尿病性足病変,脊髄神経疾患,クロストリジウム性ガス壊疽や壊死性筋膜炎などの壊死性軟部組織感染症(NSTI),難治性骨折に対する高気圧酸素治療(HBO)の現状と可能性について述べられています.HBOの適応となる各疾患の病態,各疾患に対するHBOの作用機序,現行の保険診療下での適応とエビデンス,さらに国内外の実情も踏まえ,HBOの現状が凝縮されています.保険診療においてHBOは決して高い点数ではありません.治療装置の設置には高額な費用を要し,また毎年の点検管理料がかかるため,医療機関が装置を維持するのは大変困難で,HBOを受けられる施設は限られます.本企画を通して,普段接する機会が少ないHBOに対する知識と認識を深めていただければと思います.
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