- 有料閲覧
- 文献概要
ウガンダ共和国は1962年に英国から独立した.この時期には多くのアフリカ諸国が英国やフランス,ベルギー王国,ポルトガルなどから独立し,アフリカン・パワーが爆発した時期である.12世紀から13世紀にかけて現在のカメルーンあたりに興ったバンツー系民族は徐々に東方移動を開始し,15〜16世紀にはビクトリア湖北部地方でナイル系部族(ルオ族など)や少数のアラブ系,スーダン系とともに連携し,いつしかそれらの部族は王制を整えていった.17世紀には現在の首都カンパラを中心とする最強の部族国家であるブガンダ王国が台頭して王国国家連邦を形成していたが,1864年にビクトリア朝イングランドの保護領となった.ビクトリア女王の孫にあたるドイツ皇帝ウイルヘルムⅡ世は,女王から湖南地方(現在のタンザニア)を分けてもらう.18世紀まで文字をもたなかったウガンダ部族連邦は,ブガンダ王制でイングランドから急速に文政や産業,軍政を整備していった.
医学でもメンゲ医学校やムラゴ療養所を整備・発展させ,1922年には国立マケレレ大学を創立,ムラゴ療養所を大学病院とする医学部を創部した.大学は現在22学部,12研究所,学生数6万人を擁するアフリカ有数の大学となっている.医学部は保健系と併せて1学年300名が学び,白人や東洋系学生も多く在学している.大学病院ムラゴ病院(図1)は病床約3,000床,43診療科で構成され,欧米支援のがん・感染症などの研究所7施設を併設する.整形外科は独立した建物で活動し,部長以下常勤医15名,レジデント約10名で活動し,年間手術件数は約1,300件である.手術は毎日あり,整形外科とsub-divisionの外傷科を便宜上分けている(図2).
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.