けんさアラカルト
国立大学における病理解剖
田口 孝爾
1
1岡山大学医学部附属病院病理部
pp.1118
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900890
- 有料閲覧
- 文献概要
病理解剖(剖検)が臓器病理学の発展に中心的役割を演じ,それが近代病理学の出発点となった歴史的事実からみても,剖検は単に病理学のみならず,臨床医学の教育にとっても必須であることは今後も続くであろう.
また,剖検が,全臓器の病理学的検索を通じて医療を反省し,明日の診療の向上に役だてるという重責を担っている以上,大学と一般病院とで,剖検のもっている重要性や意義はまったく同じであろうし,剖検の目的も,方法も大同小異であろう.ただ,大学が一般病院と異なる点は,教育機関であるために医学教育の一環としての病理学を学ぶ学生をはじめ,病理医の育成と同時に臨床医の養成に剖検を役だたせねばならないという点である.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.