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あとがき
内藤 正俊
pp.758
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408103140
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わが国で使用されている医療機器は,診断系はまだしも治療系の大半を輸入に頼っていますが,日本発のシーズであるにも拘わらず臨床試験や開発を先行させ世界へ輸出している欧米の最新機器が少なくありません.先進的な医療機器を創出することは,本邦の患者により早く高度な医療による恩恵を与えるだけでなく,医療技術産業を活性化することに繋がります.医療機器に関する研究開発が今後の経済成長戦略の柱の一つとして注目されています.この目的のために,平成13年の産学官連携による医療技術産業戦略コンソーシアムの設立,平成20年の厚生労働省策定の医療機器審査の合理化,平成23年の医薬品・医療機器薬事戦略相談事業(PMDA)の設置,昨年の薬事法(医薬品医療機器等法)の改正などが実施されてきました.さらに今年5月に研究開発の司令塔機能(日本版NIH)の実現に向けた健康・医療推進法案と行政法人日本医療研究開発機構法案が成立しました.現政権は国際競争を意識した規制・制度改革や海外展開支援の取組みも打ち出しています.整形外科は治療系に医療機器を使用する代表的な診療科です.環境の整備と独創性に満ちた整形外科医とが相俟って世界を席巻する医療機器が続出することを願っています.
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