誌上シンポジウム 高位脛骨骨切り術の適応と限界
緒言
齋藤 知行
1
1横浜市立大学大学院医学科運動器病態学教室(整形外科)
pp.1162
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102534
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変形性膝関節症(OA)は罹患患者数の増加により,その病態解明と治療法の確立が求められる退行性膝関節疾患である.多くの症例では大腿四頭筋筋力増強訓練などの保存療法により対応可能であるが,保存療法に抵抗する例や側方動揺などの不安定性を認める例では手術療法の適応となる.OAの手術療法には関節鏡視下デブリドメン,高位脛骨骨切り術,単顆片側置換術,人工関節置換術があり,臨床症状やX線学的病期により手術術式が選択される.その中で高位脛骨骨切り術(HTO)は正確な手術の要求と複雑な後療法のため,近年手術件数は減少し,人工膝関節置換術が標準的な治療となりつつある.しかし,超高齢社会となった現在では,高齢者の生活様式や社会活動への参画の程度など多様であり,余暇にスポーツ活動の継続を希望するなど,手術には除痛ばかりでなく膝関節機能の改善を求める例も増加している.
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